月の女神


だけど、彼女は。

自分のことは自分でしていかないといけない。

自分のことをちゃんとできているのだろうか。

頭の中を支配する彼女。心配だけど、僕が会いに行くことなんてできないし。


行けば何で担任でもなんでもない僕が来た?って彼女も思うだろう。気持ち悪がられるかもしれない。


会いに行ったことが先生方にバレれば、僕も学校でいろいろと聞かれるだろうし。


…あのとき、助けてもらったのに、僕は何もできない。



彼女は覚えてないだろうし、何気なく書いた言葉だったのかもしれないけれど

あの時の僕は本当に助けられて。


あの言葉のおかげであれから、少しずつだけれど慣れて教え方も上手になってきたと言われた。


生徒から褒められることも増えてきた。


あの時心が折れなくて、良かったと思っている。

勝手にこっちが感謝しているだけなんだけど、僕も助けられたから、彼女を助けたい。



……かといって、何もできない自分だけれど。


悶々と、日々が過ぎていくばかりだ。