その日の蒼ちゃんは一日中不機嫌で、いつもは真っ先に行く給食のおかわりにも行かなかった。
嫌い、って言っちゃったからかな……
なんて私は思ったけれど、そもそも蒼ちゃんがいけないんだしっ。
それに「嫌い」なんて喧嘩するたびに言っちゃってるし。
と気にしないことにした。
放課後
「祐くーん。蒼ちゃーん。帰ろーよー」
不機嫌なせいでいつもに増してグズグズ帰り支度をしている蒼ちゃんを急かして、学校を出る。
昔は3人で手を繋いで帰っていたけど、いつからかそれは無くなっていた。
でも、並び順は昔から変わらない。
私の右側に蒼ちゃんで、左側に祐くん。
2人の真ん中は、私の特等席だった。
昔は「ふたりとも小さい!」なんて身長をからかっていたけど、6年生にもなるとすっかり抜かされてしまった。
