レインドロップ


──ガラッ

教室のドアを開けると私たちを待っていたのは、いつもの騒がしさではなかった。

みんな各々の席に着いてじっとしている。

目を伏せている子

こちらをチラチラと見てくる子

ぽっかり開いた祐くんの席を眺めている子……

息の詰まりそうな雰囲気に私が後ずさりしたとき


「おっす!」


そう言ってズカズカ教室に入っていく蒼ちゃん。

「なーんだよおめーら、暗い顔しやがって。今日から2学期だろ?テンション上げてこーじゃねーか!」


お前真っ白だなー。少しは日焼けしろよ!

宿題?やるわけねーだろ!

うわ。今日って弁当必要だっけ?

背ぇ伸びた?ずりー。俺に分けろ!


一人一人と言葉を交わす蒼ちゃん。

まるで今までのように。

笑顔で、元気に、明るく。

クラスの雰囲気が、少しずつ少しずつ晴れていく



ああ蒼ちゃん


あなたはすごい人だね


蒼ちゃんの背中が大きくて眩しくて、太陽みたいだった。