私、佐伯千里(さえき せんり)と瀬戸蒼(せと そう)、小山内祐希(おさない ゆうき)は幼なじみだ。

同じマンションに住んでいて、生まれたときから一緒に育ってきて、毎日の登下校も放課後も休みの日も、毎日3人一緒に遊んでいた。

それが当たり前。

私のすぐそばには、いつも2人がいたんだ。



「まあまあ、千里。そんな怒んなって。ブス顔がさらにブスになってるぞー!」

これが蒼ちゃん。

こんがり日に焼けて、身体の至る所に傷を付けていて、いかにも‘やんちゃ少年’

ときどき覗く白い八重歯が、またそれを象徴している。

そもそも毎朝遅刻ギリギリなのは、彼の寝坊のせい。

なのにそんなことは棚に上げて知らないふり。

「ちょっとー蒼」

蒼ちゃんにつっかかろうとした私を右手で制止したのは、もう一人の幼なじみの祐くん。

色の薄い瞳と、生まれつき茶色くてふわふわした癖っ毛をしてる。

「女の子にブスだなんて、言っちゃだめだよ」

こんな大人な台詞もさらっと言っちゃう。