“あの日”前日




「花火大会、明日だね」

「綿菓子食いてー…」

私の部屋で蒼ちゃんと宿題をしていた。

蒼ちゃんは前よりさらに日焼けしていて、もう真っ黒だ。

日焼けは勲章!なんてよくわからないことを言ってたっけ。

宿題とは言っても、さっきからずっと2人でテレビの前でゴロゴロ。

まとめ役の祐くんがいないと、真面目に集中して宿題なんて出来ない。

「千里ー。ポテチ」

八重歯に青のりを付けて言う。

私がテーブルのポテチを取ろうと起きあがったとき、電話が鳴った。

「はいもしもし~。あら……千里ー!」

お母さんが受話器を片手に私を呼んだ。

「祐くんからよ」

わくわくして駆けて行くと、蒼ちゃんも着いてきた。