「上手いな、これ。」

「・・・・・・よかったわね。」




呆れた顔をしている私の目の前でお菓子を食べ続ける時雨に嫌気がさす。

どうして、私がここまで時雨を嫌いなのかと言うと・・・。




「あ、時雨。」




教室のドアの方から声がして私はその人物を見た。




「はい、これ。ありがとう。」

「あぁ、わざわざ返しに来なくても俺から行こうと思ってたんだけどな。」

「いや、それは悪いからね。」




目の前でノートの交換をする二人。


それを私はジッと見ている。




「相変わらず、時雨は西脇さんにべったりだね。」




ニコッと私に笑いかける彼に私はドキッと胸が高鳴る。




「俺たちは仲がいいからな。」

「ち、違うわよ。瀬名君!」




時雨が馬鹿なことを言ったから私は全力で否定をする。


こんな奴と仲がいいなんて思われるのは冗談じゃないわ!



そんな私達を見て瀬名君はニコッと笑った。