それでもいい





「誰かにやられたんだな?」




「梨帆、言って」






「っ、うん。先輩?かな。」



「誰だよ。」



雅の声は一変して低くなった。




「滝沢って人。私も知らない。」




そう言うと、雅は教室から出て行こうとした。





「神崎っ!あんたは、ここにいて。」



その足取りを止めたのは、麻耶だった。






「あ?何でだよっ!」


「良いから、居ろって言ってんの」




そう言うと、麻耶が走って教室から出て行った。





「麻耶っ!」



私は麻耶の後を追った。





雅も私と一緒に麻耶の後を追った。