それでもいい





「あっ、はい。」





「気をつけろよ。お前名前は?」




「桜田っ、梨帆です。」





「梨帆か。俺は、新城夏葵だ。三年。」




「新城先輩、ありがとうございましたっ。本当に。」




「別に。つーか、夏葵で良い。落ち着いたら気を付けて戻れよ。」

「いやっ、呼び捨てはっ。」



「良いから、な?」



「はいっ。わかりました。」


「じゃあな、梨帆」




夏葵はそう言って、私に背を向けた。