それでもいい




次の日、





私はいつものように準備をして、家を出た。


その時、家の前で誰かが待っていた。






「梨帆」



それは、雅だった。





「雅、おはよ」




昨日のこともなり、私は少し低い声で言った。




「お前、何で昨日先に帰ったんだよ。」



それは、雅が囲まれていたからで・・・



そう言おうと思った。




だけど、




「別に?ちょっとお母さんから電話あって、急ぎの用事だったから帰るときに言えなかっただけだよ?」




私はそう誤魔化した。



「そうか。一言ぐらい言えよな。心配して電話もメールもしたけど、出なかったからなんかあったのかと思ったんだぞ?」





「ごめんね。」




私は、本音を隠した。




そのあとは、一緒に登校した。




麻耶とも挨拶を交わし、入学して二日目の学校生活が始まった。



この後、悲惨な出来事が私を待ち受けていたとも知らずに。