それでもいい





雅に恋愛感情なんてない。




雅もたぶんそうだ。



だけど、幼馴染っていうのもあって


雅のことを一番知っているのは私だというプライドが私の心を切なくさせる。




目の前で囲まれている雅を見ると、



私はなぜか雅が遠くにいるような気がした。





「何?ヤキモチかぁ?」




ニヤニヤしながら、麻耶が言う。





「そっ、そんなことないよ!ただ、なんか寂しくなっただけ」




「そっか??幼馴染だもんね。」





そんな話をしながら、私は囲まれている雅を遠くから眺めていた。






「麻耶、先に帰るね?」




堪え切れなくなった私は麻耶にそう言って、学校を後にした。