「おはよう、沙羅。」
「あ、友里亜。おはよう。」

私は柚木崎沙羅(ゆきざきさら)。
この子は親友の藤井友里亜(ふじいゆりあ)。
私達二人とも公立高校の二年生なんだけど私にはとても大きな秘密がある。
それは、ヨーロッパの小国ブルーム王国の王女であること。ただし、ただの王女ではない。父が現国王で私は第一子であるため王位継承権を持つ。つまり未来の女王である。
柚木崎沙羅という名前は日本人である母の旧姓から名付けられた。
ちなみに本名はシェリス・カロリーナ・ジュリエッタ・デ・アントワーヌ・アルフォード・ボルティモア・ド・ブルーリミング。

私が王女だということは皆知っている。

これでも私はフィギュアスケートと馬術の選手で世界大会にも出たことがあるから。

何故そんな私が公立高校に通っているのか。それは、自分が歩みたい道だから。