いつもと変わらずに、坂道を下って、細道を進めば、駅前のセブンイレブンが見える。
何買おうかな〜
なんて考えながらドアを開けようとした時、
「わっ!ごめんね」
ーー年上の男の人達とぶつかりそうになったけど、大丈夫です、と言う事も出来ずに、そのまま中へ入った。
振り返ると、白いスエット姿の男の人が友達と話している。
ツンツンしてる黒い髪、
大きな二重の目、
あたしよりも15センチは大きい身長
他には何にも知らないのに
『あの人、かっこよかったな〜』
『いくつなんだろう?中学校?』
『名前は?』
『もう一度会えるかな…』
買ったおでんを手に持ちながら、坂道をのぼっている間、ずっと考えていた。
ーー人生初めての一目惚れ
きっとこの先も、一目見ただけで、あんなに胸が高鳴って、世界が一瞬にして眩しくなるような魔法を使えるのは
優くんだけだよ。
