platonic love





神崎先輩を見つけてからは、3年生の廊下には通わなくなった。

ってよりはうるさい女の先輩が、先生にいいつけたらしい。倉田に呼び出されて、用がないなら行くなって言われた。



好きな人に会いにいくことが用にならないなら、何が用になるんですかって言ってやったけど、返ってきた言葉は「校則は校則」

中学は、そうゆう場所だった。


先輩は先輩、後輩は後輩。

たかが1つか2つしか変わらない年の先輩が、びっくりするほど大人びて見えたし、自由がないなんて文句を言いながら、学校がすべてだった。





教室の掃除をしていると、

「瞳さぁ〜。優くんの事好きなの?」


シンに声をかけられた。

転校してきたあたしに一目惚れしただか何だかで修学旅行に夜中呼び出されて告白をされたり、旅行に行くとお土産を買ってきてくれたりするから、
学年中がシンがあたしを好きなことを知っていた。


なんとなく気まずいけど、嘘つくのも変だしね…。


『そう!一目惚れしたの!』

え、何その怖い顔。

『何?何かあるなら早く言ってくれない?掃除してるんだし!』


「優くんはやめときな」

『は?』

言ってる意味が理解出来なくてシンを睨みつける。


「あの人、シンナーとかやってるよ。」

『…だから?』


だから何なの?

そんな事言われたっていきなりすぎて何も考えられない。