ー♪♪♪ー
『んーもう5時30分か...』
5時30分、この時間はあたしにとって嫌な時間。だって朝が苦手だから...。

苦手だからって言って、朝の時間を変えるわけにはいかない。
女の子はいつだって忙しい。
顔を洗って鏡の前に座る。
カバンからポーチを取りだして準備をする。ビューラーでまつ毛をカールさせてマスカラをつけて、まぶたにアイライナーを引いて、リップグロスを塗って髪の毛をコテで伸ばす。

好きな人の前ではいつも可愛くいたい。
誰だってそう思うでしょ?
たとえ、好きな人が叶わない恋の相手だとしても...。

朝食はいつもフルーツゼリー。
今日のフルーツゼリーはモモ。
ゼリーが喉を通る。
冷たい、美味しい。

歯磨きをして、2度目の身だしなみの確認をする。

『これで大丈夫だよね』

お母さんが磨いてくれたローファーを履く。

『いってきまーす。』
『はい、いってらっしゃい。』

少しだけ家を出るのが遅れたけど、いつものペースで公園に向かう。
奈々、寛太、哲平と待ち合わせする場所。

公園に着くと、奈々と寛太がもうすでに着いていて楽しそうに話していた。

『2人とも、おはよう』
『彩ちゃん、おはよっ!』
『彩音、おせーよ。』

寛太を1人置いて、あたしは奈々に抱きついた。

そして、遅刻している哲平を待った。