ーピピピピピピッー
いつも私が目覚める時間5時30分にアラームがなる。
『ふぁぁぁぁぁ...』
あくびが止まらない。これもいつも。
ベッドから出て、顔を洗って、朝ご飯の手伝いをするのが日課。
私、羽沢奈々が住む羽沢家では朝が早いのである。
パパの通勤電車の時間、お兄ちゃんの朝練の時間、私の登校の時間。それぞれが早い時間に家を出るので、ママはいつも朝ご飯とお弁当作りで忙しいのである。だから、私がいつもお手伝い。少しでもママに楽してもらいたいから。

忙しい食卓に家族全員が揃うわけではないけど、会話は途切れないポカポカするような朝である。

『奈々、お弁当入れとくわよ』
『うん、ありがとう』
私が家を出るまでまだ30分ある。
今日の朝ご飯は、トーストとサラダと目玉焼きとカフェオレだ。
イチゴジャムのついたトーストを食べる。美味しい。
『じゃあ、加奈子行ってくるよ。』
『母さん、俺も行ってくるわ!』
『気をつけてね』
パパとお兄ちゃんが一緒に家を出る。
ママが2人を見送る。
この光景は昔からずっと一緒。

ご飯を食べ、歯磨きを終えて、鏡の前で身だしなみの確認をする。
『よしっ!』

玄関でローファーに履き替える。
『ママ、行ってきまーすっ!』
『はい、いってらっしゃい』

今日も3人のいる集合場所に向かう。
彩ちゃん、哲ちゃん、寛ちゃん。
大好きな3人との集合場所。
大きな時計のある公園に。
『おはよ、寛ちゃん!』
『おすっ、俺が今日は1番だぜ。』

それから寛ちゃんと昨日のテレビの話をしながら、彩ちゃんと哲ちゃんを待った。
今日もいつもと変わらないはずだけど、私はお昼のお弁当のおかずが気になっていた。