鞄を取りに教室に寄ると、まだ何人かが残ってお喋りしていた。
「あっ陽奈~!サボりやがって~!!」
「ごめん、眠くてさぁ」
友達のマリコが話しかけてきたので、私も少し話してから帰ることにした。
「そーいえば」
マリコが思い出したように切り出してきた。
「牧瀬に会った?」
「?いや、会ってない」
牧瀬は同じクラスの男子だ。
マリコは中学から一緒だったから牧瀬と仲が良かった。
「でも・・・何で?」
「陽奈が居ないから探しに行くって言ってた」
私を!?
そんなに仲良くないじゃん・・・
「それ明らかにサボる口実じゃん」
私は牧瀬に腹を立てた。
「いやいやいや!違うから!それは無いから!!」
「理由を述べよ。」
「・・・・えーと、ほらっ勘だよ、勘!!」
マリコはかなり動揺してる。
なんか隠してるな・・・。
――――――――――
バシャッ
よく足元を見てなかった私は、大きな水溜まりに入ってしまった。
「あー・・・靴下も濡れちゃった」
耳を澄ますとカエルの鳴き声が聞こえた。
まるで私を隠れて見て笑っているようだった。


