私は牧瀬の前に回り込んだ。 「ごめんね?また今度送ってよ!!」 顔の前で手を合わせる私を横目でチラリと見て、また目を逸らす牧瀬。 「や~だね。じゃ、さようならでございます」 そう言って牧瀬は一人で歩き出した。 「ぅぅ~…」 私は嘘をついたことを少しだけ後悔した。 いやいや! 気まずいのなんてゴメンだ!! 私は後悔を消し去るようにして、家とは反対方向に走り出した。