途中、私は立ち止まって考えた。 もし信騎に会ったら? 牧瀬が信騎のことを知っていても、何だか気まずい。 なかなか歩き出さない私を見て、牧瀬は私の顔を覗き込んだ。 突然、浅黒い整った顔が目の前に現れたので、私は思わず「ワッ」と声を上げた。 「どうした?」 「あ…いや~…今日さ、やっぱ送ってかなくていいよ!私、寄るとこあるんだ~」 「ふーん…いいけど」 牧瀬はツンとして、そっぽを向いた。