「あのなぁ、もうすぐユイちゃん誕生日なんだけどさ~・・」
ユイちゃん、とは彼女の名前だ。
「何日?」
「6月27日。」
プレゼントは何にしようか、何処にしようか、私は信騎の相談に一応、真剣に答えた。
本当は、嫌だった。
寂しかった。
小学校に入る前から、一緒に過ごしてきた信騎に距離を感じた。
信騎は変わらず私を信頼してくれているのは分かっている。
それは私も一緒だ。
でも気持ちが違う。
私は信騎が好きだった。
ずっと前から・・・
だけどずっと伝えることが出来なかった。
だから私は、信騎の相談に真剣に答える。
私だったら・・・
って考えながら。
彼女に自分を重ねながら・・・。
そして私は今夜も眠れない。
信騎が帰ってから、虚しさだけが私の頭の中を駆け巡る。
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