牧瀬が私に寄って来た。
「おい…大丈夫だったか?」
深刻な顔をして聞いてくる。
心配してくれるんだ…。
私は嬉しくなってニカッと笑って見せた。
「ゆーたん心配しないで!」
「!!!てめーッ」
クラスの皆は私たちを見て笑った。
本当に良いクラスだと思った。
「てか、あんた名前何なの?ゆーたんって本名じゃないよね」
私が思い出したように聞くと、牧瀬はポカーンとした表情になった。
「お前…俺の名前知らない…?」
「だから教えてって言ってんじゃん」
「ふざけんなー!!」
教室の中は大爆笑。
授業中だということは誰も覚えてないようだ。


