私はいつの間にか眠っていたようだった。

騒がしかった廊下が静かになっていた。


「5時間目始まっちゃってる・・・」

私は携帯の時計を見て慌てた。


・・・・でも・・・いいや。
サボっちゃお。


再び寝る体勢をとった。

最近、家じゃ眠れなかった。
近所に住んでいる幼馴染みが夜な夜な訪ねてくるのだ。






――――――――――


プルルルル

私の眠りがまだ浅い時、携帯が鳴った。


「ん~・・・もしもしぃ」

『陽奈(ヒナ)、今から行くから。』

「ハァ・・・もういい加減にしっ」
ツーツーツー


幼馴染みの森信騎(ノブキ)は度々電話をして、家に押し掛けて来る。

電話を切って3分程すると、外から私の部屋に向かって小声で叫ぶのだ。


「陽奈ー!ひ~な~ちゃ~ん!!」

「分かった、分かったから!喋んなっ」



そしていつも2時過ぎぐらいまで相談を持ちかけてくる。

信騎には彼女が居て、しかも初めて出来た彼女だから、気心知れた女の私を頼った。