「双子・・・マリコは知ってるの?」
中学から牧瀬と仲が良かったマリコからは聞いたことがなかった。
「あいつは知らねーよ。」
「中学一緒なのに?」
私の問いかけに牧瀬は一瞬ポカンとして
「親が離婚してるから・・・俺、今、親父と暮らしてんだよ」
少し寂しそうに笑った。
「あ・・・ごめん」
「大したことじゃねーよ。それにたまに会ってるしな」
そっか、良かった。
だから信騎のこと聞いてたんだもんね。
私が笑うと、牧瀬は再び真顔になった。
「秋山、俺と付き合えよ」
私は驚いた。
「お前に好きなヤツがいてもいい。俺が忘れさせてやるから・・・」
牧瀬は私の肩より少し長い髪を触りながら、顔を近づけてきた。