「うわ~何か色々ある・・・」

私は古い人体模型を見ながら言った。


牧瀬は急に静かになった。
なんとなく不安だ。



「・・・牧瀬?」

牧瀬は埃をかぶって積んである図鑑を見たまま、私の方を向こうとしない。



いつもの牧瀬だ・・・。

そこに居たのは、さっきまでのウザったい牧瀬じゃなく、私が話しかけても素っ気ない態度をとる今までの牧瀬だった。


「あんた・・・何企んでんの?」

私は恐る恐る聞いてみた。


何かおかしい。

そう思って牧瀬の顔を覗き込んだ。





すると・・・

顔が真っ赤になっていた。



「!!?」


私は思わず後退りをした。

「あ、あ、あんた!私に変なことしないでよ!?」


「はっ?てゆーか、こっち見んなよ・・・」




今日の牧瀬は全く分からない。


でも、コイツは私のことを嫌ってるんじゃなくて、好きなんだと私は見た。

こうゆう勘は良い方だ。



どうか、告白されませんように・・・。


私は人体模型の前で手を合わせて祈った。