「…俺もそうした方がいいと思う。」 竜兄は、優しいけど切ない表情だった。 無理してるんだ。 「…竜…兄…」 「母親と親しくなる機会だよ。家族なんだから、仲良くしなきゃ。」 竜兄は優しい。 いつもそうだ。 でも、優しいは私にとって、無理してるようにしか見えない。 それでも、竜兄の言ってることは、間違ってないもんね。 「わかった。お母さんについて行くよ。」 「希奈!!本当。嬉しいわ!!」 お母さんは涙を流しながら喜んでいた。