教室に入ると、ザワザワとしていつも以上に騒がしい、

いつもの風景が目に入る。

机に座っているヤツなんか一人もいやしない。

まぁ・・そうだよな。

なんせ今日は、始業式だからな・・・無理もない。

みんな久し振りに会ったんだし、そりゃま、はしゃぐわな。

ザワザワとした騒がしくてしょうがない教室の中で、

一人だけ、

静かに本を読んでいるヤツがいた。

俺はそいつのところに、駆け寄る。

「よぉ、ゆい。久し振りだな。」

「・・・おはよう。」

<源 ゆい>俺の幼なじみだ。 

見た目的には暗くて近寄りがたいが、

性格的には、いいやつだ。

ゆいは、本をじーっと見つめたあと

「・・・髪、きったの?」

と、いった。

「お・・うん、まあな。・・ってかよく気づいたな。

母親にも気付いてもらえなかったぞ?」

「・・もっとバッサリ切った方が・・いいと思う。」

ゆいは異常に観察力がいい。

嘘なんかついたら一瞬で見破られてしまう。

「お前は、ちょっとやけてんなぁ。どっかいったのか?」

ゆいは本から目を外して

別に。と答え、また本に目を戻した。

これだからお前は、勘違いされんだよ・・。

それにしても、夏休み明けといってもまだ結構、蒸し暑い。


こんな感じで俺は高校生活2学期目をスタートした。