「大丈夫か!?」

俺は玄関のドアを開けると
同時に声をあげた。

「大丈夫…じゃないかも…。」
「まぁな…。」

曖昧に返事を返す2人。
どう見ても大丈夫には見えない。

「何があったんだ。どうして…。」
「わからない。いきなり凄い痛みが
 体中を走っていって…」
「気付いたら小指の爪が剥がれてて…」
「いきなり…?」
「あぁ。」

どういうことだ。
いきなりだと?

「…待てよ。いきなり?」
「あぁ。」
「ここには雪と哲彦、
 それに健司だけだろう?」
「…そうだな。」
「混乱してて気付かなかったけど
 確かにあの時にいたのは
 俺ら3人だけだ。」
「なのにいきなり爪が剥がれるなんて…」
「可笑しいよね…。」