「んー。今日は軽く流すってキャプテン言ってたから、ジョグで終わりそうな感じがする……」



「ふーん……。じゃあ、今日は終わるの早そう……。帰りアイスでも買って帰ろうよ!」



「……澪さ……。減量するんじゃなかったの?」



「いや、今日はお休み!アイス食べたい!」



「あたしはアイス食べて帰るのは大歓迎だけどねっ!」



そうやってたわいのない話をしているうちに、あっという間にグラウンドにいつもついてしまう。


グラウンドのそばにあるあたしたちの部室。


陸上部の部室は特別広く、6つある。


スプリンター用2つと、長距離選手用2つとフィールド選手用2つ。


それぞれ、男子1つと女子1つで別れている。


実力のある部活だから、校長とかは陸上部に贔屓(ヒイキ)してくれる。


ほかの部活はブーブー言っているみたいだけど、あたしたちは全く気にしない。


あたしと、紗名は勢いよく部室のドアを開いた。



「「こんにちはっ」」



あたしと紗名の声が自然と重なる。


部室には全員そろっており、同じ長距離選手の3年、古屋彩羅(フルヤ サラ)先輩と山本さやか先輩。


2年の高橋瑞希(タカハシ ミズキ)先輩と福田未来(フクダ ミク)先輩と谷内あかね先輩。


そして、同じ1年の神谷彩華(カミヤ アヤカ)がいた。