「はぁ……」



再び漏れるあたしの溜息。



「もう、そんな落ち込まないでよ……。あ、そうそう明日さ、うちのクラスに転校生が来るらしいよ!」



紗名がさっき一緒に買ってきたパンを教室で満足そうに頬張りながら満面の笑みであたしに笑いかけてくる。


転校生か……。


こんな時期に珍しい。


ってか、そんなの今はどうでもいい。


あたしは、自分の机の上にようやく弁当を広げてサラダを口にする。



あたしの悩みはもう1つ。



「澪……まだ体重減らないの?」



紗名が嫌味ったらしくあたしに問いかける。


そう。長距離ランナーにとって体重の増加は不利。


というか、軽いほうが足への負担も少ないからね。


食べても食べても太らない紗名に比べて、あたしは食べた分だけ肉となる……。


この悲しい現実。


なんとかしたいけど、こればっかりは神様を恨む。



「……まだ減らないんだよ……もうあたし……嫌だよ……」



そういいながらあたしはサラダを口に突っ込んだ。


紗名は目の前でおいしそうにパンを食べている。