「今日の放課後、グラウンドに来て。絶対に来て。来なかったら、あんたの家まで行って引っ張り出してやる」



あたしはそう言葉を言い残して、まだ暑い、残暑の残る道を駆けだした。


あたしの役目はここまで。


あとは勝木が決めること。



勝木の過去は重かった。


想像以上に重かった。


だけどきっとあいつなら乗り越えられるって信じてる。


あたしと勝木が出会った意味。


今なんとなく理解できたような気がする。


これが運命なのか…偶然なのか…


そんなのはどうだっていい。


あいつを風にしたい。


あいつの風を1人でも多くの人に感じてもらいたい。





__On Your Marks



スタートラインに立って



幻の風を、再び





あたしの恋したあの風をもう一度見たいから……