そんな異国にあたしは1人で来た。
お母さんは実家に今はいる。
もう、ここにきて1年が過ぎた。
だから、あたしは日本で言うと高校2年生にあたるかな。
あと数か月すれば、3年生になっちゃうけどね。
なんでこんな場所にあたしがいるのかって?
……それはね。
「Oh!what's up Tadashi!(ああ、ただし、調子はどうだい?)」
突然あたしの担当医があたしの病室に入ってきた。
忠(タダシ)とは、あたしの父の名前。
そして、ペラペラとあたしの父と会話を始める。
あたしは半分も聞き取れなかった。
「ダイジョウブ、ダイジョウブ」
中年くらいで、年は多分40はあると思う。
そんなおっさん外国人が、片言の日本語で、必死にあたしを元気づけようとしてくれた。
お父さん曰く、最近「ダイジョウブ」という言葉にはまっているらしい。
口元が自然に緩んで、あたしはクスクスと笑ってしまった。