「おお、澪、どうだ?なんか変わったか?」




「まだ全く実感ないよ。……明日からもまたリハビリ頑張らないとなぁ~……」




「うはははっ!そうだな。英語は大丈夫か?」




「んー……単語とジェスチャーで何とかやってる」




「そうかそうか」




お父さんはゆっくりとあたしの寝るベットのそばにある椅子に腰を下ろした。


あたしは上半身だけ起こして、お父さんのほうを見る。


外の世界は、英語であふれていた。


標識も、言葉も、日本語ではない。


通り過ぎる人も日本人じゃない。



ここはアメリカ。


ロサンゼルス州。


そして、ここはそんなところにあるとある病院。


そんな病院で働くあたしの父。


そんな病院に入院するあたし。