「おい、紗名……お前そんなこというなよ……俺意外とガラスのハートなんだからよ……」
そういって、再び、机に突っ伏してしまったコウ。
そんな姿を見て、紗名は再び笑った。
「Let us, then, be up and doing, With a heart for any fate.」
俺の口からは自然とその言葉が出てきた。
紗名はこちらを向いて、ぽかんとしている。
コウはいつの間にか、顔を上げていて、まるで変なものを見るかのように俺を見てきた。
「それでは、立ちあがり、行動しよう。いかなる運命のもとでも、精いっぱいに……」
それは、澪が記憶をなくしたときに、おじさんが俺に言った言葉。
今では俺の支えとなっている言葉。
「……行動あるのみってことだよね」
紗名が言葉を噛み締めるようにそういった。
「いい言葉じゃん」
隣でコウも笑っている。