俺らは前に進めていないのかもしれない。
だけど、後ろには下がってねえよ。
目線も下がってるわけじゃない。
ただな……怖いんだよ。
お前がいないこの日常が当たり前になるのが……俺にとってはとてつもなく怖いんだ。
だから、この一歩。
勇気が出ねえんだよ。
「ねぇ……あたしたちさ……このままでいいのかな?」
学校の休み時間、紗名が珍しく俺の席までやってきて、話しかけてきた。
2年生になっても、俺と紗名は偶然同じクラスになった。
だけど、席も遠いし、あんまり話すことはない。
そんな紗名が今日、わざわざ、俺の席までやってきて、そんな話をしだした。



