「瞬っ!」 シマの声に、俺の体がビクッと反応する。 「……立ち止まるなよ。走れよ」 振り向けば、シマの強いまなざしが俺をとらえた。 「……俺には、もう陸上しか残ってねぇもんな」 そういって、俺は自分の足を見つけた。 「……お前が届けてやればいい。お前が有名になって、澪の元へとお前の走りを届けてやればいい」 シマの落ち着いた声が、俺の胸に届く。 「……走りじゃあいつは反応しねえよ……風を届けんだ」 そういって、俺は顔を上げて少しだけ笑ってみた。