__『入らねぇよ。絶対に。俺はもう走らねぇ』
こいつは、”走らない”っていった。
”走れない”訳じゃない。
ケガじゃないってことだよね。
一先ず、こいつの気持ちをどうにかすればいいってことか。
どうしたものか……。
「なぁ、勝木!お前、追川のスプリンターだったんだって!?今すぐ入れ。今すぐ陸部へユアウェルカムだっ!」
「10秒とか走れるのか?まじで、入ってく…れ…頼むっ!」
あたしは、同じクラスの短距離の奴らに勝木が追川のスプリンターだったってことを話してみた。
きっと奴らなら、何かいい文句をつけて何とかして入れてくれそうな気がして……。
あたしは隣の席からその光景を見守った。
「無理」
即答する勝木。
その瞬間、がっくりと肩を落とすあたしと短距離の奴ら。



