「だよね。……あたしもね、初めはそう思ってた。長い距離走ってさ、きついだけじゃん?って。
だけど、いざ、大会とかで走ってみるとさ……すっごく気持ちいの。特にこういうロードとかで走ったりすると、知らない人もみんな”頑張れ”って声かけてくれるの。
応援の力ってね……すっごいの。その一瞬だけ、疲れが吹っ飛んで、あ、頑張ろうって思わせてくれるの。だから、癖になる。だから、苦しくても走ろうって思えるの」
そういって、俺の隣で笑う澪は確かに輝いていた。
「もうそろそろ、この道にランナーが来るよ」
そういって、澪は立ち止まり、ランナーが走ってくるであろう方向をじっと見つめる。
そして聞こえる。
「……がんばれーっ」
「ファイトー」
向こうにいた人たちの声援が。
……ランナーたちの息遣いが……
先頭を切ってやってきたのは……



