On Your Marks…~君と共に~



振り向けば、校長、担任、陸部の顧問、菅先輩が入ってきた。


隣で母さんがおろおろしていた。


そして、4人は俺らの向かいにあった大きめのソファーに腰を下ろした。



「えー……。瞬君には、うちの菅から話があったと思うんですが、これ以上、部活に顔を出さないとなると、この高校に置いておくのは難しいんです。

それで、今日、お母さんをおよびしたのですが……どうでしょう……転校とか……」



部活の顧問が淡々と話を進める。


ちらっと見た母さんの顔は表面上はにこやかだが、確かに怒っていた。



「ええ、そうさせて頂きます」



そういって、顔だけ笑う母さん。



「では、瞬君にはこちらの高校がよろしいかと。家からも近いようですし、授業料も、今払っていただいている、うちの授業料の半分よりは少しお高いですが、許せる範囲内かと……編入試験は、きっと余裕で合格だと思いますので」



そういって、担任が1枚の高校のパンフレットを俺たちの前に差し出した。


高校名は……


”鷲松高校”



母さんはパンフレットを受けとるなり、席を立って、軽く礼をした。



「では、あたしは仕事がありますので。瞬、帰るよ」



そういって、俺らは校長室を出て、まっすぐ、母さんの車に乗り込んだ。



正直怒られると思った。