だんだんと、俺らに近寄ってくる赤いジャージ。
そんな追川の先頭に立つのは……
「お、誰かと思えば……勝木じゃねえか。お前、こんな高校に入ったのか?」
陸部全体のキャプテンの菅(スガ)先輩。
今、高校生で1番はやいって言われている、俺と同じショートスプリンター。
「そうっすけど」
俺は少し小ばかにしてくる、菅先輩をきっとにらむ。
「おいおい、そんなおっかねえ顔すんなよ。……こんな仲良しごっこのチームがよくここまでこれたもんだな。……まぁ、気長にお前が俺と並んで走る日を待ってるよ。
じゃあな……勝木瞬君」
そういって、鼻でふっと笑いながら、菅先輩はあたしたちの前を通り過ぎて行った。
「待てっ!」
俺の隣で静かにしていた澪が急に声を張り上げた。
隣にいた俺は一瞬びくっとなる。
澪の声に、菅先輩をはじめ、追川高校の赤いジャージの動きがびたっと止まった。
そして、菅先輩はゆっくりとこちらに振り返る。



