スタンドには多くの応援団が駆けつけ、すでに応援合戦状態だ。
スタートラインなんか、位置取りで1区のランナーはもうお互いを睨み合っていた。
1区を走るのは、さやか先輩。
スカイブルーの鷲松高校のユニフォームは本当に目立つから見つけやすい。
「さやか先輩はね、普段はすっごく穏やかなんだけど、走りはすごく力強いの。……あたしたちの自慢のキャプテンだよ」
俺の隣で、松葉杖を突いた澪が誇らしげにそんなことを言ってくる。
その目は少し切なげで……なんて言葉をかけていいのか分からなかった。
だから……
「ああ、そうだな」
これだけしか言えなかった。
スタートラインに集うのは、各高校の応援団。
その中には……
「……ねぇ、瞬、あそこの赤いジャージのところって……」
澪が俺のジャージの袖をつかんで俺らのほうへ向かって来る団体に目をやる。
追川高校……
俺の前いた高校。
相変わらず貫禄はすげぇよな。
追川って……確か長距離も強かったはず。



