「紗名、いつの話してるの?今日だって、あたしクラスの女の子に笑顔で退院おめでとうって言ってくれたよ?」
あたしがそういうと、紗名は、あっと思い出すように目を丸くした。
「そうだそうだ!澪、あの瞬のスピーチ聞いてないんだった。あれはね……きっとあの場にいたら澪きっと泣いてたよ。
瞬がスピーチ終えたころには、澪のこと恨んでいた女の子たちも涙流してたもん。あたしも少しうるっときちゃったし」
え?
スピーチ?
瞬が?
あの瞬が?
「なんで?」
あたしはカバンを机の上から下ろし、紗名の顔をまっすぐと見た。
そういうと、紗名はにっこりと笑ってゆっくりと話し出した。



