On Your Marks…~君と共に~



あ、やばいっとおもった。



何か嫌味の1つや2つ言われると思った。



だってさ、あたし自分で言うのもなんだけど、超平凡な顔してるわけ。


二重だけど、特別大きい目ってわけじゃないし、スタイルだって特別いいわけじゃない。


それに比べて、今あたしのまわりにいるのは、誰が見ても可愛いやら、美人やら言われるような子達ばかり。


瞬と並んでて釣り合うのはこの子達なのかもしれない。


瞬の隣があたしじゃ、後ろ指を指す人がいるかもしれない。


いても仕方ない。


仕方ないから目をつぶろうって、自分に言い聞かせようとするけど、いざ言われると思うと……別の意味で心臓ばくばくしてやばいっ!



「川口さんっ!退院おめでと!」



あたしの耳には予想外の言葉が聞こえた。


え?


あたしは思わず驚いた顔のまま、その子のほうへと振り返ってしまう。



そこには満面の笑みがあった。



あれ……?


あたしと瞬のこと認めてくれたの?



こんなにもあっさりと?


「あ、彩華ここのボタン撮るとき押してよ?」



紗名が隣のクラスから彩華を連れ出してきて、紗名もあたしたちの中に混じった。



「ポーズはどうする?」



彩華がカメラを構えながらそんなこと言う。



「やっぱり、ピースでしょ?」



紗名の意見に皆納得したのか、みんなVサインを作って笑顔を向けた。