っていうか、けが人なんだから、少し力加減というものを知ってほしいんだけど。
と、思いつつ瞬を睨んでみるけれど、瞬は知らん顔で教室のドアをしめてスタスタと自分の席へと歩き出した。
クラスの皆はじーっとあたしを見てくる。
だけどその顔は皆笑顔だった。
そして、なぜかクラスメイト全員そろっている。
毎回遅刻ギリギリに来ていた奴も、今日は何故かこの場にいた。
あたしは、ただただ立ち尽くすことしかできなかった。
「澪、黒板見て見なよ」
教室の中央のほうにいた紗名が笑顔であたしに言ってくる。
え……?
黒板?
あたしは恐る恐る、ゆっくりとさっきまで背にしていた黒板を見る。
「……っ!」
自然と、涙が出た。
自然と笑顔になった。
__ほら、ここにも失っていないものがあった。
ふと、拓夢たちの声が聞こえたような気がした。



