ぎこちない足取りだけど、ちゃんと前に進めているでしょう?
「そういうと思った」
ふっと、笑った瞬。
「瞬、タイム落ちてるんじゃないでしょうね?」
あたしは少し意地悪なことを言ってみる。
雪が多いこの地域は、外で走れるってことは少ない。
大体は、校舎内で筋トレ。
だから、少しでも余裕かましていると、簡単にタイムは落ちてしまう。
「前、久々に晴れてて、測ったときは10"30だったけど、何か文句でもあるか?」
そう、ニヤッと笑ってくる瞬。
また、こいつタイムあげやがった。
……どこまで伸びるわけ?
「俺さ、トップアスリートになるっつったじゃん?」
急に話し出す瞬。
あたしは、瞬の話に耳を傾けつつ、必死に松葉をついて前へ前へと歩いていた。



