「……駅伝、見に行くんだろ?」
瞬がふと、その言葉を口に出す。
あたしがいない間、紗名たちは、頑張って頑張ってやっとのことで全国高校駅伝の出場権を勝ち取った。
紗名がそれを病室に来て、あたしに報告しにきたとき、”悔しい”とか”羨ましい”とかそんな感情は生まれなかった。
ただ、単純に嬉しかった。
素直に”おめでとう”という言葉が出てきた。
紗名、あたしのその言葉聞いたとき、初めて泣いたよね。
あたしが事故に会って、泣くまいとたぶん堪えていたんだと思うけど。
泣き虫な紗名。
あたしに心配かけたくなかったんだよね。
わかってるよ。
だから、あの時見せてくれた紗名の涙。
なんでか、すっごく嬉しかったんだ。
だから、皆の勇士ちゃんと見るよ。
「いくよ。当たり前じゃんっ!」
あたしは笑顔で、瞬に笑いかけた。
こうやって、前に進むって決めたんだもん。



