On Your Marks…~君と共に~




「俺さ……正直お前泣くと思ったんだ。お前走ること生きがいにしてただろ?その足がさ、な?……だけどお前……今笑ってっし……」


ほら、瞬はそうやって、心配するんだ。


そりゃあ、瞬の前では強がるよ。


弱いところなんて見せたくない。


好きな人ならなおさら。



「あたしがあんたの前でわんわん泣くとかありえないね。」



「……相変わらず口は達者に動くな?」



そういって、くすっと笑った瞬の顔をとても愛しいと思ってしまう。


この笑顔を守るためならあたし、なんだってするよ。


例え、嘘をついても……君から離れることになろうとも……。



「……あたしね、拓夢と啓太に会ったよ。瞬のことよろしくなって言ってた。」



「お前も、あったのか?」



「うん。初めはすっごくびっくりしたけどね。……すっごくいい奴らだね。瞬が走ってるところ、見たって言ってたよ。」



「そうか……そうか……。」



そういって、瞬は少し下を向く。



そして、何かを決めたようにあたしの目を見てきた。



ドキっ……



心臓が高鳴る。


その瞳はとても綺麗だった。



「好きだ。好きだよ……澪。」



……え……?



一瞬何が起きたか分からなくなる。



瞬の声は優しくて……とても心地よかった。



鼻がツーンとなって…胸が熱くなって……



これは、現実なのかな?


これは、夢じゃないのかな?




ずっと、あたしの一方通行の片想いだと思っていた。


だけど今、君の想いと重なる。



一度考えたことがある。


互いが愛し合うというのは、どれ程の奇跡が積み重なって起きたことなのだろうかと。


この地球(ホシ)に生まれて……


この国に生まれて……


互いが出会って……


互いを想い合う……。




何億分の……いや、何十兆分の確率なのだろうか。


それは、きっととても、とても奇跡みたいな数字が出るんじゃないかって、あたしは思う。