「澪っ!」 あたしはその声ははっとして、声の方へと顔を向けた。 そこには…… 「瞬……」 愛しい君の姿。 瞬は、あたしの顔を見るなり、ただでさえ大きな目をさらに大きくした。 あれ……。 あたし倒れたのって、まだ大会、予選だったよね? 「……っ!瞬っ!あんた決勝は?大会は?」 あたしは勢いよく上半身を起こして、瞬の服をつかんだ。 「……おまえ、もしかして記憶……」 瞬は、驚いた顔をしたままあたしを見てくる。