On Your Marks…~君と共に~



だって、なんだか、その言葉はとても懐かしかった。


だけど、意味が分からなかった。



お父さんは、あたしがわかっていないのに気がついたのか、あたしの車いすを押しながらははっと笑い出した。



「澪は、ショート・スプリンターわからないか。ショート・スプリンターっていうのは、要は短距離選手だ。100Mとか200Mとかを専門として走る奴を言うんだ。

反対に、400Mを走る奴はロング・スプリンターって言うんだ。覚えとけよ。」



そういって、優しげな声で丁寧に説明してくれたお父さん。


そして、あっという間にスタンドへ続く階段について、あたしは車いすから立ち上がり、片足で器用に階段をのぼる。


お父さんは、ラクラクにあたしの車いすを持ち上げて上がってくる。


そのあとにお母さんもついてきた。


目の前の景色が開けたとき、ふわっと風があたしの頬をかすめた。





「「__瞬っ!!!!いっけぇぇーーーー!!」」




え?瞬?



あたしは、片足で前にはねてフェンスにつかまる。


そして、スタートラインに並んでいる選手を見る。