瞬の姿を見るたびに、あたしの中で何か温かいものがあふれる。
紗名とか、シマとかと会った時も温かくなるけれど、その温かさとは何かが違う。
なんだか、愛しくて……懐かしくて……。
そんなかんじ。
よくはわからない。
だけど、きっと記憶を失う前のあたしはこの温かさの訳を知っていたんじゃないかって思う。
あたしが失ったのは、記憶と、足だって、先生に言われた。
だけど、それだけなのかな。
何か、何か……何かあたしは大きなものを失っていて……
でも何かは分らない……
「よし、着いたぞ。」
そう、お父さんの声とともに止まる車。
あたしは、何とか、片足と腕を上手に使って、車いすに座る。



