あたしは、今お父さんとお母さんと一緒に鷲松競技場に向かっていた。
助手席のお母さんと運転席のお父さんが楽しそうに会話しているのが聞こえる。
記憶を失って初めて出た外の世界。
真っ白な病室とは違って、外はたくさんの色であふれていた。
「澪、お前、体調は大丈夫か?」
お父さんが優しい声で尋ねてくる。
「うん。大丈夫。」
あたしはそういって、再び、窓の外に目をやる。
空の青。
雲の白。
山の緑。
花の赤、黄、橙、紫。
こんなにも世界はいろんな色があって、瞬はこの色とりどりの世界を駆け抜ける。
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