1組目の奴らはさっきから飛び跳ねてみたり、肩をまわしてみたり、していた。
目の前のタケは、さっきからずっと笑顔で、ずっとピョンピョン俺の前で跳んでいる。
おまえは蛙かって言いたくなったけどやめた。
きっと、こいつにとってこうしている方が落ち着くんだろう。
俺はすっと、自分の世界に入る。
イメージする。
最高の走り。
自分が風に溶け込むあの感じ。
そして、背中を押されるように踏み出すあの感じ。
一定の気持ちの良いリズムが俺のをゴールへと連れて行くあの感じ。
__「パーンっ」
ピストルの音に俺ははっとする。
気がつけば、目の前をタケが走って行った。
タケは後半型で、スタートはゆっくりと立ち上がる。
だけど、後半の伸びは……とてつもない。



